中学数学:攻略・因数分解

こんにちは。相城です。今回は因数分解の攻略を見ていきましょう。

因数分解とは

因数分解は展開の逆の作業のことをいいます。
全てではありませんが, 簡単に言うと, かっこの無い式をかっこのある式に変形します。難しい言い方をすれば和の形を積の形だけに変換する作業です。

中2で習った因数分解

因数分解って, 厳密には中3で習うんですが, 中2で実はすこしかじっているんです。偶数+偶数は偶数っていう文字式の説明ってやったでしょ?覚えていますか?2つの偶数を2m, 2nとすると, その和を求めると,

    \[2m+2n=2(m+n)\]


この作業を因数分解って言うんですね。
左辺の2m+2nの各項に共通する2という因数をとりだして, 右辺の2(m+n)に変形していますね。
このように, 共通する文字や数字を最大限とりだすことを因数分解といいます。
この共通する因数のことをそのまま共通因数といいます。

因数分解の基本思考の4パターン

基本1
因数分解では, 共通因数を取り出すことが基本となります。

    \[5xy^2+10x^2y=5xy(y+2x)\]


ここで, 5xy5xy^210x^2yに共通する因数(約数)です。
因数とは約数のことであることは, 素因数分解のところで勉強しました。こうやって, 式も因数で分解していきます。

基本2
現行教科書では公式から因数分解をたどっていますが, 今回は因数分解の本質?的なところから入っていきます。
それは, 展開すると

    \[(x+3)(x+2)=x^2+5x+6\]


なるのであれば,

    \[x^2+5x+6=(x+3)(x+2)\]


と因数分解できるということです。
ではどうやって考えるか, それは数字に隠されています。6という数字は最後ある2つの数を掛け算して得られた数です。また, 5はある2つの数を足して 得られた数ということは公式から分かることです。ここで, 掛け算して6になる2数を考えた方が有効か, 足して5になる2数を考えた方が有効かを考えた場合, 整数の範囲に限定しても, 足して5になる2数の組み合わせは無限にあることに気付くでしょう。そして掛けて6になる2数の組み合わせ方が有限個です。ですから, 掛けて6になる2数を考えていきます。
掛けて6になる数も考え方によっては無限にありますが, 中学校の因数分解は基本的には整数の範囲で行うことが多いので, それはイレギュラーな例としてここでは扱わないことにします。
では掛けて6になる組み合わせを考えると, 以下の表ができます。

この表から, 掛けて6足して5になる2数の組み合わせは2と3になります。したがって, x^2+5x+6(x+3)(x+2)と因数分解できるのです。

基本3
残りの公式もこれが基本で因数分解できます。
例えば, x^2-8x+16の因数分解も, いまやったやり方で解けます。

この表から, 足して-8になる組み合わせは-4-4になります。したがって,
x^2-8x+16=(x-4)(x-4)となり, 同じ式は累乗を使って書くので, (x-4)^2と因数分解できます。

基本4
次に, x^2-16の因数分解も同様に考えることができます。
今度は掛けて-16, 足して0になる組み合わせを考えればいいので,

この表から, 掛けて-16, 足して0の組み合わせは4と-4である。したがって,
x^2-16(x+4)(x-4)と因数分解できます。
この4パターンが基本になります。
あとはこれらを組み合わせたりしているだけです。

応用例題

少し応用問題をいくつかやって終わりたいと思います。
(1) ax^2+8ax+12aを因数分解しなさい。
(2) (x+2)^2+(x+2)-12を因数分解しなさい。
(3) (a+b)x-(a+b)yを因数分解しなさい。

(1) 共通因数aでくくって, さらに因数分解
a(x^2+8x+12)=a(x+2)(x+6)・・・(答)

(2) x+2=Aとおくと
A^2+A-12, これを因数分解すると,
(A+4)(A-3)
A=x+2として計算すると,
{(x+2)+4}{(x+2)-3}=(x+6)(x-1)・・・(答)

(3) a+b=Mとおくと
Mx-My, 共通因数Mでくくると,
M(x-y), M=a+bにもどすと,
(a+b)(x-y)・・・(答)

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