emath:高校数学:複素数の問題における式変形の例①α/βを求める

こんにちは。今回は複素数の問題で式変形の例を見ていきます。例題を解きながら見ていきます。

複素数の問題の式変形の例①

【例】\alpha, \betaは, 等式3\alpha^2-6\alpha\beta+4\beta^2=0を満たす0でない複素数とする。以下の問いに答よ。
(1) 複素数\dfrac{\alpha}{\beta}を極形式で表せ。
(2) 複素数平面上で複素数0, \alpha, \betaを表す点をそれぞれO, A, Bとするとき, \kaku{AOB}および\kaku{OAB}を求めよ。
【解法】次の式変形は有名なので覚えておいてほしい。
両辺を\beta^2で割ると,
3\dfrac{\alpha^2}{\beta^2}-6\dfrac{\alpha}{\beta}+4=0
3\left(\dfrac{\alpha}{\beta}\right)^2 -6\dfrac{\alpha}{\beta}+4=0
\dfrac{\alpha}{\beta}の二次方程式として, 解を求めると,
\dfrac{\alpha}{\beta}=\dfrac{3\pm\sqrt{3}i}{3}=\dfrac{1}{3}(3\pm\sqrt3 i)
これを変形すると
\sqrt{3^2+(\sqrt{3})^2}=2\sqrt3なので,
\begin{array}{lll}\dfrac13\cdot2\sqrt{3}\left(\dfrac{3}{2\sqrt3}\pm\dfrac{\sqrt3}{2\sqrt3}i\right)&=&\dfrac{2\sqrt3}{3}\left(\dfrac{\sqrt3}{2}\pm\dfrac12 i\right)\\&=& \dfrac{2}{\sqrt3}\left(\dfrac{\sqrt3}{2}\pm\dfrac12 i\right)\cdots\maru1 \end{array}
よって, \cos\theta=\dfrac{\sqrt3}{2}, \sin\theta=\pm\dfrac12となる\theta\theta=\pm\dfrac{\pi}{6}なので,
\maru{1}
\dfrac{\alpha}{\beta}=\dfrac{2}{\sqrt3}\left\{\cos\left(\pm\dfrac{\pi}{6}\right)+i\sin\left(\pm\dfrac{\pi}{6}\right)\right\}\cdots(答)
(2) (1)より
\alpha=\dfrac{2}{\sqrt3}\left\{\cos\left(\pm\dfrac{\pi}{6}\right)+i\sin\left(\pm\dfrac{\pi}{6}\right)\right\}\beta
と変形できるので, OAはOBを\dfrac{2}{\sqrt3}倍に拡大し, \dfrac{\pi}{6}または, -\dfrac{\pi}{6}回転させたものである。このとき, △OABは1 : 2 : \sqrt3の直角三角形になる。(下図参照)
よって,
\kaku{AOB}=\dfrac{\pi}{6}, \kaku{OAB}=\dfrac{\pi}{3}
となる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)