高校数学:等比数列系漸化式a_n+1=pa_n+q

こんにちは。相城です。今回は漸化式の変形方法を書いておきます。
以下ではp\neq1, q\neq0としています。また後述する特性方程式では, p\neq1,\ qは定数という前提になりますのでご注意を。

例題を見てみよう

さて, 次のような例題があったとします。
【例題】初項a_1=6,二項間の漸化式が a_{n+1}=3a_n-8で定められる数列\{ a_n \}の一般項a_nを求めよ。
【解法】この手の問題の解説見ても, いきなり式を変形すると, ってあるじゃないですか。あれどうやって変形したのか疑問ですよね?私は疑問でした。
今回はそれを解消し, その知識を知ることで, 変形しやすくしようと思います。
からくりは次のようです。
まず, 与式の漸化式は次のように変形できます。(理屈はページ下部にあり)
a_{n+1}-\alpha=3(a_n-\alpha)\ (\alphaは定数)\cdots\textcircled{\scriptsize 1}
こう変形できるので, これを展開したものは, 与式の漸化式と一致します。
展開すると,
a_{n+1}=3a_n-2\alphaとなり, -2\alphaは与式の漸化式の-8と一致します。したがって,
\underline{-2\alpha=-8, \ \alpha=4}
となるので, \textcircled{\scriptsize 1}\alpha4に置き換えると,
a_{n+1}-4=3(a_n-4)
あとはお決まりのパターンに持ち込んでいきます。
b_n=a_n-4と置くと,
b_{n+1}=3b_nとなり, b_nは初項b_1=a_1-4=6-4=2, 公比3の等比数列なので,
b_n=2\cdot3^{n-1}
b_n=a_n-4なので,
a_n-4=2\cdot3^{n-1}
a_n=2\cdot3^{n-1}+4\cdots(答)
上記中の下線部あたりは理屈っぽく書いていますが, \alphaは以下の特性方程式の解になります。ただし, 特性方程式はp\neq1,\ qは定数という前提になります。また, 理屈的には以下のように\alphaは引くことになりますので, この例題の場合, 特性方程式x=3x-8を解いて得られるx=4(\alpha)も同様に辺々から引くことになります。

\begin{array}{ccccccc}&&a_{n+1}&=&pa_n&+&q\\-&)&\alpha&=&p\alpha&+&q\\\hline&&a_{n+1}-\alpha&=&p(a_{n}-\alpha)&&\end{array}

流れをつかんでおこう
    a_{n+1}=p a_n+qの漸化式の攻略

  1. a_{n+1}-\alpha=p(a_n-\alpha)と変形できるとする。
  2. \alphaは特性方程式x=p x+qの解としてx=\alphaを求める。
  3. a_{n+1}-\alpha=p(a_n-\alpha)で, b_n=a_n-\alphaとして, 初項b_1, 公比pの等比数列としてb_nを求める。
  4. b_na_n+\alphaにしてa_nを求める。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)